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2016.08.18
虫歯菌からプラスチック
こんにちは.高橋デンタルクリニックです.
8月も後半に入りましたが,厳しい残暑が続いていますね.
今日は虫歯菌の話です.
昨日のワールドビジネスサテライトで虫歯菌の作る酵素からバイオプラスチックが作れる.という話が放映されました.
東京大学大学院の研究グループが開発した技術で,虫歯菌がもつ「バイオフィルム」をつくる酵素を利用するとのこと. 生成されたプラスチックは、ペットボトルなどに利用される,ポリエチレンテレフタレート(PET)や繊維のナイロンよりも優れた熱的性質を持ち、フィルムや繊維にも成型加工が可能なことから、さまざまな分野での利用が可能とのことです.
歯科では目の敵にされている虫歯菌やバイオフィルムですが,ここからバイオプラスチックが作製できるアイデアを思いついた研究者の皆さんの視野の広さに脱帽です.将来は虫歯菌が生成したプラスチック製品でできた歯ブラシで歯磨きをする時代が来るのかもしれませんね.
とはいえ,口の中に虫歯菌を蓄えていてもいいことはありません. 定期的にバイオフィルムを除去して,虫歯や歯周病を予防しましょう.
原著論文はこちら↓
バイオフィルムとは
バイオフィルムとは細菌が生成する膜のことです.身近なところでは台所や風呂場にあるヌメヌメがこれに当たります.
口の中では「歯垢」と言われるものがこれに当たります.
バイオフィルムはかなり強力で,形成されてしまうと,抗菌剤などの薬品を跳ね返してしまいます.口の中(歯の表面)にバイオフィルムが形成されるとフッ素などの虫歯予防や歯周病予防の薬品を全てはじき飛ばししまうので,これらの薬品を含む歯磨き粉やうがい薬を使っていても全く効果がなくなってしまいます.バイオフィルムの中は細菌にとってはパラダイスなので,細菌がどんどん増殖して虫歯や歯周病を進行させているのです.
バイオフィルムは2〜3ヶ月で形成されてしまいます.バイオフィルムが形成されると汚れもつきやすくなるので,急に茶渋などが付着してきます. バイオフィルムは歯ブラシでは除去できません.定期的に歯医者さんで除去する(PMTCで除去できます)必要があります.
これが歯医者さんが3ヶ月おきに歯の掃除に来てくださいという理由なのです.
岐阜駅 スグ 歯科・歯科口腔外科・インプラント
高橋デンタルクリニック